この地球上に暮らしている生物の中には、その存命が危惧されている種があります。それらは総称して絶滅危惧種と言われますが、各国の機関で世界の、または自身の国の絶滅危惧種をデータ化してその情報はレッドリストあるいはレッドデータブックといって共有できるようになっています。
絶滅危惧種とは色々な事由によってかなりの個体数が激減し、その生存が脅かされている野生生物のことをいいます。近年ではこのような絶滅に瀕した種が増え、また実際に絶滅してしまった種もあり世界的にも大きな問題となっています。
沖縄に生息する動物にも絶滅の危機に瀕している野生生物がいます。今回は有名どころを取り上げたいとおもいます(こんなことで有名になっても悲しいだけなのですが)。まずはこの沖縄でも西表島にしか生息していない「イリオモテヤマネコ」。猫といってもヤマネコ属なので、通常普段目にする猫とは違い大きめで、四肢や尾は太めです。目の周りには白と黒の縞模様があり、耳が丸っこいのが特徴です。1977年に国の天然記念物に指定されました。
本来狩りをするネコ科の動物はもっとずっと広い生息域を必要とするそうで、西表島という小さな島に、イリオモテヤマネコが定住したのは奇跡だと言われています。世界中の野生の小型のネコがネズミなどの小動物をハントするのに対し、イリオモテヤマネコの場合は、トカゲ、ヘビ、カエル、コオロギなどの昆虫類、オオコウモリ、鳥類、テナガエビなど実に様々な動物を食します。豊富なメニューを食べるのは、世界中でもイリオモテヤマネコだけが持つ特徴だそうです。
イリオモテヤマネコの個体数が急激に減った理由に、生息地の縮小化があげられます。観光開発や森林伐採など、貴重な生息域が開拓され住処を追われているのが現状です。それによって環境が大幅に変化し、イリオモテヤマネコが好む環境がなくなってしまい、少しずつ減っていってしまっているのです。
他には交通事故。幹線道路が開発され、イリオモテヤマネコの行動範囲でどうしても道路を横断しなければならないといけなくなってしまいました。夜行性のイリオモテヤマネコは夜になると活発に活動するので、雄猫や経験不足の若い猫などが人間の自動車に轢かれるケースが後をたちません。
外来種であるイエネコもイリオモテヤマネコに多大な影響を与えています。外部から侵入してきた動物は、そこに暮らす在来種の地域固有の生態に影響を及ぼすことで世界各地で問題となっています。イエネコからネコエイズがうつったり、食べ物をめぐる競争相手になるなどイリオモテヤマネコにとって好ましい相手とは言えず、特に病気などのウィルスに関しては絶滅の引き金になるかもしれないと危惧する声が上がっています。